知人・親戚との面会に、老人ホームを訪問する場合、絶対にやってはいけない事があります。
人の生死に関わる、重大な事態になることもあります。
介護業界14年目の派遣介護福祉士です。
「両親の介護施設を探したいけど・・・」、そんな不安の解消に役立てられるように、13年以上の介護現場での体験を綴ってゆきます。
2007年に介護業界へ身を投じ、早や14年目を迎えました。(派遣歴12年)
派遣社員の特性もあり、経験した施設数は「13」になります。
老人ホームを訪ねる / 生死に関わる事態にも
知人・親戚の自宅を訪ねる時に、持参するのが手土産です。
久しく会っていない方との面会に、手ぶらで訪問するのは気が引けるものです。
食べ物の差し入れは避ける
食べ物の差し入れをしてはいけません。
老人ホームに入所されている方は、介護認定を受けて老人ホームに入所されています。つまり、何かしらの身体的理由(基礎疾患など)がある方々です。
「○○の羊羹が大好きで、いつも・・」
「毎回、○○の漬物を必ず・・・」
それは自宅で生活されていた、過去の話です。
今の健康状態を熟知しての行動ではありません。
家族と施設しか知らない情報
施設は入居者が入所された事情や、基礎疾患を公開することはありません。
今では個人情報保護の観点から、質問を受けてもご家族以外の部外者に、内情をお話しできません。
窒息の可能性
介護施設には
上手く食べ物を噛み砕けない方
上手く食べ物を呑み込めない方
がおられます。
その場合、介護スタッフが食べ物の形状を調整したり、他の食べ物に取り換えたりして、安全を確保しています。
窒息の可能性があるからです。
特殊な薬の服薬
特殊な薬を、服薬されている方は多いものです。
脳梗塞の再発が強い方が服薬する、血流促進剤(ワーファリン)
血圧が著しく高い方が服薬する、降圧剤
他にも様々あります。
特殊な薬を服薬する方には、禁止食があります。
薬の効用を下げてしまい、生命の危険があるからです。
血糖値が高い方
血糖値が高い方は、飲食の前に服薬の必要があります。
中には、インシュリン注射をしなければならない方もおられます。
おやつの時間には、甘い物から別の物に代替しています。
意識障害や昏睡状態を避けなければならないからです。
実例 / 差し入れによる騒動
糖尿病の方がリビングで、チョコレートを食べている場面を発見しました。
チョコレートは禁止食でした
何故、持っているのか分かりません!
部屋からも見つかりました!
いつから持っていて、入手経路は?
調べてみました。
仲の良い入居者の方に来客があり、チョコレートの詰め合わせを差し入れされたようです。そしてお裾わけとして、一部のチョコレートを糖尿病の入居者に、渡してしまったのでした。
リビングでチョコレートを食べていたので、介護スタッフが迅速に対応できましたが、
もし居室で昏睡状態に陥った場合、巡回時まで気づきませんし、「昼寝やうたた寝」と判断してしまい、対応が遅れていたかもしれません。
我々現場介護士は、事情を知らないと判断がつきません
手遅れになると、生命の危険に関わる一大事にもなります。
まとめ
老人ホームを訪問する際には、食べ物の差しれは避けましょう。
もし持参する場合には、事前に介護スタッフや看護師に声かけをしておきましょう。
食べきれずに置いてゆく場合も同様に、残りを介護スタッフに預けてゆくのが望ましいです。
どうしても差し入れを希望される場合には、実用性がある消耗品をお薦めします。
(ウエットティッシュ・入れ歯洗浄剤・芳香剤など)
消耗品以外だと、拡大鏡(虫眼鏡)・テレビ収音機も実用性があります。
マスク・エプロン・車いすスカートなど、実用性ある品物豊富で、こちらもお薦めです
厳禁/ 介護スタッフへの差し入れ
現場スタッフへの差し入れも避けてください!!
ほとんどの施設は、来客者からの差し入れ受け取りを禁止しています。
お断りする際に、かなり困るんです(汗)
私は過去に1件だけですが、「差し入れ受け取り可能」の施設で勤務した経験があります。介護スタッフだけでは処理しきれず、スタッフルームの机を、お菓子箱が占領していました。
率直に申し上げて、量が増えると邪魔になります
断言
差し入れの有無で、ご両親への扱いが
変わることはありません!!
介護スタッフへの差し入れは、お金の無駄です。