「老人ホーム」の入居を検討すると、希望したい「特別養護老人ホーム」。
関東・関西圏では、入居待ち300~500人が当たり前でした。
入居条件が「要介護3」以上に変更され、待機人数は緩和されつつあります。
しかし人口密集地では、今でも簡単には入居できません。
介護業界14年目の派遣介護福祉士です。
「両親の介護施設を探したいけど・・」、そんな不安の解消に役立てられるように、13年以上の介護現場での体験を綴ってゆきます。
2007年に介護業界へ身を投じ、早や14年目を迎えました。(派遣歴12年)
派遣社員の特性もあり、経験した施設数は「13」になります。
「特別養護老人ホーム」って、何 ?/ 施設概要
「特別養護老人ホーム」は、「社会福祉法人」が運営する、公的な施設です。
通称「特養」として、よく聞くでしょう
身体介助の必要な人が、中心になります。
「特別養護老人ホーム」のシステム
2000年以前は「多床型(相部屋)」が主でした。
今では「個室型」でなければ、行政の認可が下りません。
基本的には、10人一組の「ユニット制度」が主流です
ユニット制度:グループ制
スタッフ配置は、
・日勤帯が各ユニットに、スタッフ1~2人
・夜間帯が2ユニット(20人)に、スタッフ1人
元同僚たちに聞いても、このスタイルが多いです。
深夜帯、スタッフの仮眠時間帯は、
4ユニット(40人)をスタッフ1人。
但し、「特養」によって違いはあります
ユニット制だと、無人になることはありません。
無人になったとしても、隣のユニットには介護スタッフがいます。
これは「有料老人ホーム」と、異なる点です。
・「介護付き有料老人ホーム」
フロア制を採用していれば、無人にはなりません。
フロア制:各階に一人づつ、介護スタッフを固定配置
・「住宅型有料老人ホーム」
無人になることが、多々あります。
「特別養護老人ホーム」の費用
「特別養護老人ホーム」は大人気です。
相場が約10~15万円で安価だからです。
年金額や家族の収入により、月額費用に差がでます。
入居金などの初期費用が、かかりません
おむつ・パット代も、利用料金込み。
これは「老人保健施設」も同じです。
「グループホーム」や「有料老人ホーム」では、おむつ・パット代が別料金。
「特別養護老人ホーム」入居条件
入居条件は65歳以上で、「要介護3以上」に限定されています
私が「特別養護老人ホーム」で勤務した頃は、「要介護3以上の規定」がありませんでした。
当時は、自立に近い人もおられました。
介護度の高い人が多くなると、スタッフの離職率にも繋がり、運営者としてはツライところです。
入居条件は他にもあります。
・収入額
・資産状況
・家族構成
・緊急性
・他
様々な条件を勘案して、入居の選定をしています。
「特別養護老人ホーム」/ 入居の順番
待機人数は、緩和されつつあります。
待機人数は減っていますが、介護職員の確保ができず、一部閉鎖状態している現状は変わりません。
(例:2~4階は営業中、5階は閉鎖中)
「特別養護老人ホーム」は、早く申し込んだ順に、入居できるわけではありません
項目ごとの点数で決まり、緊急性の高い人が優先。
「独居」「老老介護」など、緊急性の高い人が待機しています。
独居:一人暮らし
老老介護:高齢者同士の介護
(80代女性が、90代男性を介護)
・仕事がある
・介護が不安
・子供がいる
この程度の理由で、優先順位は上がりません
待機期間は長い、と思ってください!
「特別養護老人ホーム」の申し込みは、
担当ケアマネジャーの指示に従い、行動しましょう。
「特別養護老人ホーム」は「終の棲家」ではない
特別な理由がない限り、退居を求められることはありません
但し、集団生活に支障がないことが条件。
「暴力行為」や「セクハラ行為」が続く場合は、退居もあると覚悟してください。
特に「暴力行為」での退居は、覚悟要です。
又、「末期がん」も対応できないので、退居対象になるでしょう
介護士は、麻薬(鎮痛剤)を扱えません。
「末期がん」だと、以下が選択肢になります
・病院(ホスピス)
・医療院
・24時間看護師常駐「有料老人ホーム」
私は「有料老人ホーム」で、末期がん患者をお世話した経験があります。
「有料老人ホーム」は、介護サービスの幅が広く、柔軟性も期待できます
「有料老人ホーム」に関する記事を、まとめています!
まとめ / 「特別養護老人ホーム」
・要介護3以上
・65歳以上
・初期費用がいらない
・月額料金が安価
・おむつ代込み
・事前の手続き・申し込みが必要
・待機期間が長い
・退居を求めらる可能性はかなり低い
アドバイス
「特別養護老人ホーム」への入居の声かけがあったら、迷わず入居すべきです。
「特別養護老人ホーム」は待機人数が多く、「施設選び」をする余裕はありません。
チャンスがいつ巡ってくるのか、分かりません!
一旦入居してみて、嫌なら退居すれば良いだけです。
自由で快適な生活を目指すなら、「有料老人ホーム」を選択すべきです
「特別養護老人ホーム」は、介助業務中心でスピード重視の傾向が強くなります。
自宅に近い生活環境は、期待できません。
「有料老人ホーム」と「特別養護老人ホーム」の違いを、紹介しています