「有料老人ホーム」を選択した場合、
一番気になるのは、費用ではないでしょうか。
支払いに無理が生じると、退去の必要に迫られます。
「住宅型有料老人ホーム」と「介護付き有料老人ホーム」には、価格設定に違いがあることは知っておきましょう。
介護業界14年目の派遣介護福祉士です。
「両親の介護施設を探したいけど・・」、そんな不安の解消に役立てられるように、13年以上の介護現場での体験を綴ってゆきます。
2007年に介護業界へ身を投じ、早や14年目を迎えました。(派遣歴12年)
派遣社員の特性もあり、経験した施設数は「13」になります。
有料老人ホームには大きく分けて、
「健康型有料老人ホーム」
「介護付き有料老人ホーム」
「住宅型有料老人ホーム」
と、3つのタイプがあります。
「有料老人ホームのタイプ別の違い」は、以前に解説済みです
私が経験した「有料老人ホーム」は、以下の7つです
・介護付き有料老人ホーム 3施設
・24時間看護師常駐・有料老人ホーム 1施設
・住宅型有料老人ホーム 2施設
「住宅型有料老人ホーム」の価格設定 / 「介護付有料老人ホーム」との違いを比較
「住宅型有料老人ホーム」と「介護付有料老人ホーム」の違いには、
「介護士の勤務体制」「価格設定」の2点があります。
「住宅型有料老人ホーム」と「介護付有料老人ホーム」の違いについては、
「住宅型有料老人ホームを解説 file.44」でも紹介しています
このページでは「住宅型有料老人ホーム」の「支払額の決まり方」に絞って、解説してゆきます。
先に結論から述べると、「住宅型有料老人ホーム」と「介護付有料老人ホーム」の価格設定の違いは、
・「介護付有料老人ホーム」は、介護度による「定額制」
・「住宅型有料老人ホーム」は、介護サービスと回数による「変動制」(オプション価格)
費用の決まり方 / 「住宅型有料老人ホーム」
介護保険料の自己負担額は、利用した分に応じて支払うため、介護度が高くなるにつれて、費用も高くなります。
自立した方は生活費を払いながら、外部の介護事業者を利用した時のみ、そのサービス費を負担します。
「住宅型有料老人ホーム」は、
「利用した分しか払わない」のが特徴です
介護付有料老人ホーム / 定額制
「介護付有料老人ホーム」の場合、費用は「入居金+月額利用料」です。
介護度により、介護保険の自己負担額が月単位で決まっています。
費用は「定額制」です。
住宅型有料老人ホーム / 変動制
「住宅型有料老人ホーム」の場合、必要な介護サービスのみを選択・利用します。
月額利用料が「介護付有料老人ホーム」よりも、やや安めに設定されています。
しかし、介護サービスを利用した分だけ費用がかかるので、たくさんの介護が必要な人にとっては、月額利用料が高額になるケースもあります。
・選択した介護サービスの種類
・受けた介護サービスの回数
以上の2つで費用が決まります。
費用は「変動制」(オプション価格)です。
「介護業界の通説」
・介護度が低い方は、「住宅型有料老人ホーム」が経済的
・介護度が高い方は、「介護付有料老人ホーム」が経済的
予算のイメージが難しい / 住宅型有料老人ホーム
「介護付有料老人ホーム」は、「住宅型有料老人ホーム」に比べて、毎月の支払い額がイメージしやすいのが特徴です。
「住宅型有料老人ホーム」の利用額が、介護度とサービス回数で変わります。
将来の支払い額が、イメージしづらいです。
介護度が高くなると、利用する回数が多くなり、介護保険の支給上限額を超えるかも知れません。
超過分の費用は、すべて自己負担になります!!
(1割負担→10割負担)
共通した費用 / 「住宅型有料老人ホーム」「介護付有料老人ホーム」
・おむつ・パットなどの日用品
・レクリエーション費
・提携医師の往診
・他
以上の費用は、「住宅型有料老人ホーム」「介護付有料老人ホーム」ともに共通で、利用した分を支払います。
「住宅型有料老人ホーム」の「レクリエーション」や「イベント(催事)」に関しては、介護士の数に左右されます。
決められた訪問介護サービスで人員の余裕がなくなり、実施数が少なくなるかもしれません。
各介護スタッフの勤務予定に、レクリエーションを組み込めない施設は多いです。
レクリエーションやイベントを連日実施して、毎日・数百円単位で徴収している施設も存在しています。
元同僚の話では、
ナースコール「1回につき〇〇〇円」
と請求する施設もあったそうです。
心配無用?? / 「住宅型有料老人ホーム」の例外的事例
介護業界の定説では、「住宅型有料老人ホーム」は介護度が高くなると、利用額が高額になるとあります。
介護保険の超過分が、すべて自己負担になるからです。
(1割負担→10割負担)
私が勤務した「住宅型有料老人ホーム」では、高額にならないように、介護サービスの調整がされていました。
本来は有料サービスとなる身体支援(モーニングケア・ナイトケアなど)を、無料提供することで、支払額を軽減する方法です。
「経験談 / 介護サービス費用調整」で紹介しています
まとめ / 「住宅型有料老人ホーム」「介護付き有料老人ホーム」支払額の決まり方と影響
・「介護付有料老人ホーム」の価格
・介護度による定額制(価格固定)
・介護度が上がっても、価格変動が小さい。
・介護度が高い方には経済的
・将来の支払額が予想しやすい
・ 「住宅型有料老人ホーム」の価格
・「介護サービス」と「利用回数」による変動制(オプション価格)
・利用回数が増えるにつれ、支払額が積み上がり続ける
・介護度が低い方には経済的
・将来の支払額が予想しずらい
「住宅型有料老人ホーム」については、下の記事も参考にしてください