- できると思っていたのに実現しない
- こんなにお金がかかるんだ
- これって別料金だったの
- こんな物が必要なの
老人ホームと入居契約する前に、確認しておきたいことはたくさんあります。
あなたの「思っていないこと」が続出しますよ
よくある疑問
- 契約前にしておくことはあるの?
- 契約の注意点があれば知っておきたい
契約する前に「確認しておけば良かった!」と後悔しないよう、現場経験者の介護士が注意点を紹介します。
今までご家族から聞いてきた「相談やクレーム」を元にしています
インターネットや本では紹介されていない「現場の情報」を詰め込みました。
他では読めない「確認すべきこと」が満載です
- 契約前に確認しておくべきこと
- 知っておきたい別料金
- 家族がしないといけないこと
- 入居して分かる「実現できないこと」
- 私の経験談
「両親の老人ホームを探したいけど・・・」
そんな不安を解消ができるように、15年の介護現場での体験を詰め込みました。
2007年に介護業界へ身を投じ、早くも15年が経過。(派遣歴13年)
派遣社員の特性もあり、働いた施設数は「13」になります。
13施設で働いた経験談を読めるのは、この記事しかありません。
- 健康型有料老人ホーム 1施設
- 介護付き有料老人ホーム 3施設
- 住宅型有料老人ホーム 2施設
- 24時間看護師常駐・有料老人ホーム 1施設
- 特別養護老人ホーム 1施設
- 老人保健施設 1施設
- グループホーム 2施設(4ユニット)
- デイサービス 1施設
- 障がい者(自閉症)グループホーム 1施設(3ホーム)
- 居宅介護支援事業所 2事業所
以上、10業態(13施設)を経験しています
派遣の介護士として、いろんな施設で現場経験してきました
・ 私のプロフィール
必ず確認したい!契約前にしておきたいこと20選
あなたは「老人ホームの契約」をしようとしていますよね?
契約前に「確認しておきたいこと」がたくさんあります。
入居契約前に「確認しておきたいこと」を紹介してゆきます。
面会できる時間帯を確認しておく
家族面会で一番多いのは「午後1時~4時頃」です。
平日だと仕事帰りの午後7時以降に、来られるご家族もおられます。
「有料老人ホーム」では、午後6時以降は事務所が閉まっています。
(特別養護老人ホームは、事務所に宿直者が配置されている)
あなたが施設に入れるよう、介護スタッフが夜間業務の合間に、玄関の解錠のために現場を離れることになります。
「夜の面会はできるのか?」確認しておきましょう
「有料老人ホーム」は「24時間面会OK」の施設が多いです
もし夜の面会OKなら、仕事帰りに立ち寄ることができます。
私の経験談:
深夜0時に、ご家族が面会に来られた経験があります
現場からすると、困惑なんですが・・
外出時間に制限があるのか確認する
事務所が開く「午前9時~午後6時」なら、どの施設でも制限ないはずです。
時間帯によっては、制限をかけている施設もあります。
私の経験談:
- 法事で早朝に外出
- 外食で夜まで帰ってこない
時間帯によっては「夜勤者」が玄関開錠のために、職場を離れられないことがあります
どの時間帯でも、外出が可能なのか確認しておきましょう
食事時間はフレキシブルなのか確認する
- 有料老人ホーム
- 特別養護老人ホーム
- グループホーム
- 老人保健施設
どの業態の施設も、食事の時間が決められています
例:
- 朝食 午前8時
- 昼食 午後12時
- 夕食 午後6時
私の経験談:
「有料老人ホーム」では、食事時間をフレキシブルにしている施設がありました。
例:
- 朝食 午前7:30-9:00
- 昼食 午後12:00-1:30
- 夕食 午後5:30-7:00
「この間ならいつでもどうぞ」というスタイルです
食事時間がフレキシブルだと、自分で時間調整ができて、自由度が高い生活ができます。
朝の「連続ドラマ」や「のど自慢」など、好みのテレビ番組が見られますよ
食事時間が固定化されているのか、確認しておくと便利です
家族の宿泊が可能なのか確認する
「ご家族の夜間宿泊」が可能なのか、確認してみてください。
「有料老人ホーム」には、家族が「親の部屋」に宿泊できる施設がたくさんあります
家族の横で「おむつ交換」するのは気をつかいます
家族の宿泊は別料金になります
金額も確認しておきましょう!
施設によっては、「看取り(ターミナルケア)」の時しか宿泊できないこともある
私の経験談:
深夜帯に泥酔状態で宿泊を繰り返す「ご家族」がおられました。
現場の強いプッシュで、施設長が宿泊禁止にしたことがありました
食事キャンセルの期限を確認する
ご家族との「外出・外食」で、食事のキャンセルはよくあります。
特に「おやつ」のキャンセルは多い。
食事キャンセルのクレームは、とても多いんです。
食事キャンセルには、期限があります。
期限を超えると、食事代の支払いが必要です
- 食事のキャンセルは、いつまでなら無料なのか?
- どのタイミングなら、お金がかかるのか?
契約前に確認しておきましょう
数百円の小さな金額ですが、あなたのストレスになります
施設に持ち込み「できるもの」「できないもの」
持ち込み可能な物を、確認しておきましょう!
よくある「持ち込みできるもの」
- 整理タンス
- 衣料用ダッシュボード
- 小型冷蔵庫
- テレビ
確認してください
現金や貴重品(宝飾品)は、「盗難・紛失」のリスクがあります
「持ち込み拒否」や「事務所預かり」になることが多いです
私の経験談:
軽度の認知症の人は、「物盗られ妄想」があります。
私が勤務した施設で、入居者が「宝石がなくなった」と110番して、警察沙汰になったことがあります。
事情聴取を受けたスタッフは、大半が退職してしまいました。
貴重品の持ち込みは、施設にとってリスク大
施設のおむつ・尿取りパットの料金を確認
「有料老人ホーム」「グループホーム」では、
おむつ・尿取りパットの料金は別途請求になります。
(特別養護老人ホーム・老人保健施設では無料)
市販の物よりも、どの程度高いのかチェックしておきましょう
金額を知っておくとよいです
「施設で用意してもらうと高いから、自分で持ち込みをしよう」
こんなご家族がおられます
持ち込みの場合、「買いだし」「お届け」の手間が必要です。
あなたは「時間と手間」の負担で疲れるかもしれません
多少金額が高くなっても、施設で用意してもらった方が便利です
あなたの「許容範囲」に収まるか、確認してください
自分で準備する備品はどんな物があるのか
「排泄介助や歯磨き介助」が必要な人は、おむつ・パット以外にも備品が必要です。
- 自分で用意する備品
- 施設で用意できる備品
どんな物があるか確認してください
施設で一括購入している物もあります。
あなたが全ての備品を準備するのは面倒です
あなたが準備する備品
- お尻拭き(濡れティッシュ)
- 口腔ティッシュ
- 口腔スポンジ
- 入れ歯洗浄剤
- 陰洗ボトル
- エプロン
別途料金で、施設が準備できる可能性もあります
認知症対応の備品料金も確認しておく
あなたの親は認知症ですか?
認知症の程度によっては、更に備品が必要になるかもしれません。
「転倒リスクが高い人」「夜間徘徊がある人」の備品
- センサーマット
- 離床センサー
いずれ必要になるかもです
センサーマット・離床センサー:
認知症の「徘徊防止」「転倒防止」のため使用する装置
- ベットから起き上がる
- 床に足を降ろす
センサーが反応して音を鳴らし、介護スタッフは駆けつけることができる
事故を防げます
- 家族が実費購入するのか?
- 施設の備品として無料?
どちらになるのか、確認しておきましょう
施設よってバラバラです
私の経験談:
「施設」も「ご家族」も、どちらも購入拒否。
家族同意の上、掛け布団に鈴をつけて、夜間対応した経験あり(涙)
寝返りしただけでも「鈴」は鳴り続け、大変だった苦い思い出
クリーニング代金はいくらかかるのか
- ベット
- 布団
- 枕
施設のものを使用します。
持ち込みする人もいます
- 掛け布団を抱き込んで寝る
- 掛け布団の上で排尿する
「尿」で掛け布団を汚してしまうのは、意外と多いです
施設に「予備の掛け布団」がありますが、クリーニング代は利用者負担です。
敷き布団は「防水カバー」で防げますが、掛け布団はどうしようもない
布団を汚した場合のクリーニング代金を、確認しておきましょう
私の経験談:
ベット上で放尿する「認知症の男性」がおられました。
月々のクリーニング代は、数万円かかっていました。
布団の持ち込みは、お勧めできません
汚した場合の「代替品」がないからです!
あなたが至急対応する必要があり面倒ですよ
新聞を配達してくれる時間帯を確認する
「有料老人ホーム」だと、共用スペースに新聞各紙が置かれています。
しかし、居室へ持ち帰ることはできません。
居室で新聞を読みたい場合、個人契約が必要です。
「有料老人ホーム」では、新聞の宅配を受け付けています。
新聞配達を利用します
私の経験談:
・午前5時頃、「夜勤者」が回収して、新聞を各居室へ配達
・午前9時以降に「事務所スタッフ」が、新聞を各居室へ配達
2つのパターンがありました
希望の時間帯に、手元に届く保証はありません!
「折角、新聞を取っているのに、欲しい時には手元にない」と覚悟してください
手元に届く時間を、事前確認しておいても良いでしょう
補食の管理をしてくれるのか確認する
- 漬物
- 梅干し
- ヨーグルト
- ヤクルト
- バナナ
- 他
「馴染みの食べ物」は、誰にでもあります。
施設への「持ち込み」可能です
個人で用意した食べ物は、「自己管理」or「介護者管理」確認が必要です
私の経験では、施設によってバラバラです
- 介護者管理の場合、「食堂の冷蔵庫」で預かる
- 自己管理の場合、「小型冷蔵庫」の購入が必要
居室内で「自己管理」することになる
通院ガイドはしてもらえないと覚悟
「持病や怪我」での通院は、ご家族が付き添いをされています。
「通院の付き添い」を、売りにしている「有料老人ホーム」もありますが、あまり期待できません。
私の経験談:
通院付き添いをしている「有料老人ホーム」で、勤務経験があります。
「夜勤明けのスタッフ」の同行が主になる
人員不足やスタッフの負担が大きく、実現しないことが多かった
日勤「看護師」が、通院同行するホームなら実現性が高い
住宅型有料老人ホームだと、通院時間が決まっている「歯科通院」なら実現性あり
「在宅介護サービス」を利用することになる
もし通院同行を売りにしている施設なら、
「どの程度、実現できているのか」確認しておくと良いです
イベント・外出などレクレーション費用の平均金額
「有料老人ホーム」の場合、イベント・外出が多いのも特徴です。
施設によっては、レクレーションが多く「予想金額」を超えるかも。
参加費は別途請求です。
1か月の平均金額を知っておきましょう
兄弟間で費用をシェアする場合、予算割の目安に必要です。
光熱費の平均金額を確認する
光熱費も別途請求が多いです。
1か月の平均金額を知っておきましょう
兄弟間で費用をシェアする場合、これらも予算割の目安に必要です。
系列施設・居室変更の可能性と金額
他の入居者との「人間関係悪化」や「トラブル」に会った場合、系列の施設へ移れるか確認しておきましょう。
料金に関しては、契約前に確認を取る必要があります
他の施設に移れない場合、
- 居室変更可能か?
- その場合の料金は?
以上も確認しておきましょう。
私の経験談:
- 介護度が高くなった場合
- 認知症状が高くなった場合
施設が居室変更を、お願いすることがあります。
その場合の料金も、確認しておきましょう
入院した場合の月額費用
入院した場合、「施設の部屋代」と「入院費用」の二重払いが基本です。
今一度、確認しておいてください
退居返金について確認しておく
退去した時の「返金条件」を、確認しておきましょう。
- 初期償却
- 償却年数
- クーリングオフ
契約書で確認できますが、「重要事項説明書」にも記載しています
契約前に目を通しておくべきです
コーディネーター(相談員)を利用した場合は、「初期償却」「償却年数」の一般的な料金について、聞いておくと良いです。
初期償却:
入居した時点で、返金されないお金
償却年数:
返金される期間。期間を過ぎると返金なし
クーリングオフ:
入居90日内であれば、全額返金
倒産した場合の返金
契約前までに確認要です。
コーディネーター(相談員)を利用した場合は、一般的な料金について聞いておきましょう。
「退去になる条件」はどんなケースがあるのか
施設から「退去要請を受ける」ケースを確認しましょう。
自分から退去を申請するまで、施設に一生居られるわけではありません。
退去の可能性は覚悟してください
よくあるケース
- 医療行為が必要になった
- 暴力行為
- セクハラ
思いつくパターンをあげてみました
契約前に準備しておく物を確認しておく
契約時に提出を求められるもの
- 既往歴
- 住民票
- 健康診断書
- 印鑑証明
- 連帯保証人
- 身元引受人
- 診療情報提供書
既往歴:
今までどんな病気をしたか、時系列で「病歴」まとめておくこと
- 発症時期
- 診断した月日
- 入院歴
- 手術歴
余裕があるうちに、既往歴をまとめておきましょう
まとめ / 契約する前に「確認しておきたいこと」
- 夜に面会ができるのか
- 食事時間が自由に選べるのか
- 家族が親の居室に泊まれるのか
- 食事キャンセルはいつまでなら無料なのか
- 施設に持ち込みが「できる物とできない物」
- 施設のおむつ・尿取りパットの値段
- 自分で用意するべき備品
- 認知症対応の備品は有料なのか
- 布団のクリーニング代金
- 新聞配達してくれる時間
- 個人の食べ物は「自己管理」なのか
- 通院の付き添いは実現性があるのか
- レクレーションの平均金額
- 光熱費の平均金額
- 居室を変更してもらう場合の金額
- 親が入院した時の部屋代
- 退去時の返金について
- 倒産した場合の返金について
- 退去を要請される条件
- 契約時に提出が必要な物
思いついたことを、紹介してみました
また思い出すことがあったら、随時アップデートしてゆきます
あなたは契約までに「確認しておくことって、こんなに多いんだ」と認識できたと思います
失敗しないためのひと手間です
▼ 老人ホームの選び方から入居までの手順を、下の記事にまとめています
記事のリンクをたどれば、いろんなことが分かるように配置しています
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