現場で働いている「介護士のアドバイス」を知っておきたい、慎重派は必見!
老人ホームのリアルな情報を、あなたにお届けしています。
老人ホーム見学の「予備知識」を、介護士目線でまとめました。
▼ 老人ホーム見学前のよくある疑問
- 老人ホーム見学で、何を見ればいいんだろう
- 事前に「注意点」を知っておきたい
- 本や雑誌のアドバイスだけでは不安
- どんな老人ホームはやめた方がいいの?
- そもそも判断基準が分からない!
老人ホームを見学できるのは一度だけ。しかも時間が限られています。ただ見ているだけでは、時間のムダです!
あなたはインターネットや雑誌で、「施設見学のチェックポイント」を調べましたよね?
でもネットや雑誌の情報だけでは、かなり不十分です。
現場で働いている人の意見ではありません。
「老人ホーム見学」に行っても、ただ見ているだけでは「見学の意義」がありません。
予備知識をもって、しっかりと確認できる「最後のチャンス」だからです。
予備知識をたくさん備える必要があります。
あなたの親にとって「最後の生活」になります。今後の人生はあなたの行動しだいです
でも「老人ホーム見学」で、見るべきチェックポイントって、よく分かりませんよね?
皆さん、あなたと同じ想いで迷っています。
私は老人ホームで、現場介護士を15年以上しています。
老人ホーム選びで、たくさんの人から相談を受けてきました。
現場の経験談を元に、いろんなアドバイスをしています。
あなたはインターネットや本を読んで、「老人ホーム選び」について調べたはずです。
でもあなたが読んだ記事は、介護現場のリアルは紹介していません。
記事を書いている人は、実際に「現場で働いている介護士」ではないからです。
老人ホーム運営経験者の情報ばかりです。
本記事では現場で働く介護士が、「老人ホーム見学のチェックポイント」をまとめています。
介護現場のリアルを上乗せして、介護士目線の情報をお届けします。
老人ホーム選びで「失敗する確率」を下げてください。
インターネットや本で、紹介されていない情報が満載。
知っておいて、損はない情報ばかりです。
「両親の介護施設を探したいけど・・・」、そんな不安の解消に役立てられるように、約15年の介護現場での体験を綴っています。
2007年に介護業界へ身を投じ、早や17年目を迎えました。(派遣歴15年)
派遣社員の特性もあり、経験した施設数は「13」になります。
- 老人ホーム見学のチェックポイント
- 選びたくない建物
- チェックおきたい居室の設備
- 気にしても意味ない条件
- 介護士の経験談
施設見学のチェックポイント / 建物・設備の不備を見抜くコツ
本記事では、初心者でも見抜ける「チェックポイント」に厳選しました。
- 現場の介護について
- 老人ホームの設備について
本サイトでは「施設見学のチェックポイント」を、2回に分けて紹介しています。
現場介護士からすると、チェックポイントがありすぎるからです。
必ず両方読んでくださいね
- 介護現場の質を見抜くチェックポイント編
- 建物構造と設備のチェックポイント編(この記事)
の2回に分けて解説しています。
施設見学は2人以上でするべき
施設見学は必ず、2人以上で行ってください
複数の眼でチェックして、見逃しをなくしましょう
以前は「コロナ感染拡大の影響」で、老人ホームの見学も規制が多かったです。
でも今は見学規制が、緩和されています。
できる限り、2名以上で老人ホーム見学をしてください。
施設の清潔感や豪華さにダマされてはいけない
見た目が良くなくても「良い施設」は、たくさんあります
- 新しい建物
- キレイな飾り物
- 豪華な額縁
こんなものは「介護の良し悪し」とは、何の関係性もありません
豪華な装飾品は、あなたに契約してもらうための飾りです。
見た目に、ダマされてはいけませんよ。
飾り物の費用は、あなたが払う入居費から捻出しています
あなたは「マンション購入」を考えているのではありません。
- 建物が古い
- 見た目がボロイ
年数が経てば、どんな施設でも同じように劣化します
キレイな建物が、あなたの母親を幸せにするわけではありません。
建物が大きい老人ホームは避けたい
建物が大きな施設は、おすすめできません。
「介護スタッフ」の眼と耳が、届きにくいからです
▼ 大きな建物をおすすめしない理由
- 介護士の眼が届きにくい
- 異音に気づけない
- コール対応に時間がかかる
- 介護士の退職率が高い
- 介護士が多く必要になる
介護士の経験談を交えて、下のリンク先で詳しく解説してます。
じゃ、どのくらいの大きさが理想ですか?
リフト浴の設備があるのか確認しておく
バリアフリーに関しては、どの「老人ホーム」も大差はありません。
バリアフリーは、今時当たり前なんです。
浴室スペースが小さく、リフト浴のない施設があります。
リフト浴設備があるか、確認してください
施設によって差があるのは「入浴設備」です
「リフト浴」や「チェア浴」は、設置されていない施設がある
少人数の老人ホームに、よくあるパターンです。
将来あなたの母親は、「機械浴が必要になるのかも」です。
- 足を骨折して車イスになる
- 脳梗塞で倒れて「寝たきり」になる
突然、機械浴が必要になります。
機械浴:
身体的なハンデのある人を、湯舟に移動させる機械
- リフト浴:寝た状態で、リフトに吊るして湯舟に移す
- チェア浴:専用いすに座ったまま湯舟に移る
以上が存在している
突然「寝たきり」になった場合、急いで他の施設を探すことになります。リフト浴の設備があれば、入浴を理由に「施設を探し直す手間」がありません。
「チェア浴」しかない施設の場合、寝たきりになると退去になります。
「チェア浴のイス」に、座れないからです。
寝たきりの人は、リフト浴が必要なんです。
尿臭を介護体制の判断基準とはしずらい
「廊下や居室から、尿臭がしたら要チェック」
ネットや雑誌の「老人ホームの選び方」では、よく取り上げられています。
ちょっとは気にしても良いかも・・・。
でも個人的には、重視するほどではないと考えます
皆さんが気にしたいのは、現在の「介護の質」ですよね?
「尿臭」は、過去に働いていたスタッフの積み重ね。
「現役スタッフの質」を、見極める根拠としては薄いです。
尿臭の原因:
認知症の男性が、排尿をまき散らした積み重ねが多い。
高齢の男性は、便座に座る習慣がありません
認知症男性は、便座への誘導がかなり厳しい!
頻繁にふき取っても、尿臭は残りやすいんです。
暴れて「物損・暴力」になるなら、「雑巾で拭いた方が安全」のパターンがある
尿臭は参考程度にしておくと良いです。
施設選びで優先するほどではありません。
廊下の幅が狭いと介護スタッフの対応が早い
廊下の横幅が狭い「老人ホーム」を優先してください
廊下の両側に、居室が並んでいるとおすすめです。
廊下が狭い施設だと、居室からの異音(異変)に気づきやすい
あなたの親が転倒した時に、介護士が早く対応できる可能性が高くなる
異音に気づけないと、巡回時まであなたの親は倒れたままです
- 廊下の距離が長い
- 廊下の幅が広い
- 回廊になっている
こんな施設は、居室からの異音(異変)に気づきずらい。
どの程度の生活音(居室のテレビなど)が、廊下に聞こえてくるのかチェック要
廊下の幅は、車いす2台が交差できる程度で十分です
私の経験上、廊下幅は狭い方が良いです
日当たりを気にしても不便がある
あなたは「南側の陽当たりが良い部屋がいいな」と思っていませんか?
あなたはマンション購入するのではありません
ベランダに洗濯物は干せませんよ
南側の日当たりの良さは、条件から外してください
私の経験談:
日中の定期巡回、ほとんどの人はカーテンを閉めています
「暑い」「まぶしい」からです
日中は居室に陽が差し込んできます。
特に秋冬は、かなり陽が差し込みますよ
どんなに見晴らしが良くても、カーテンを閉めるならメリットは小さいです。
「施設見学」を、午後2~4時頃に指定されることが多いです。
南側の居室を検討するなら、陽の差し込み方をチェックしておくべきです。
確認するには、丁度良い時間帯です。
ベランダの広さを気にしてはいけない
老人ホームのベランダは、普段の生活には不必要
あくまで火事・地震で「避難する動線」
介護スタッフでも、ベランダに出たことがない人が多いです。
植物も避難時の障害になり、ベランダに置くことは禁止されています。
もちろん、洗濯物を干すこともできません
居室にクローゼットがあれば便利
居室内にクローゼットがあれば、優先したいです。
居室の半分近くを、ベットが占領してしまいます。
私の経験では、「クローゼットがない」施設が、圧倒的に多かったです
老人ホームの居室は、とにかくスペースがありません。
もしクローゼットがあれば、かなり便利ですよ
洗面台の形とパイプの形状をチェックする
あなたの親は「車いす」を利用していませんか?
車椅子の人は、「洗面台の形」と「洗面下のパイプ」を見ておきましょう。
洗面台が前にせり出した形が良い
車椅子に座ったままでも、大きく前に屈む必要がありません。
ほぼ真下に水を吐きだせます
洗面台が前にせり出していない形は不便
胸から排水面まで距離がありますよね
吐き出した水が、排水面まで届かないことがあります。
水が飛び散って、服が濡れてしまいますよ
施工業者は、入居者の利便性なんか気にしていませんからね
洗面パイプで車いすが入らないことがある
洗面台の下にパイプがあれば、形をチェックしてください
洗面台下のパイプの形状によっては、膝が洗面台の下に入りません
そうなると、胸から排水面まで大きな距離ができます。
私の経験談:
車いすのステップがパイプに当たって、車いすが洗面台に近づけない施設がありました。
排水面まで届かないので、洗面器を使って「うがい」をしてもらっていました。
洗面所としての機能ゼロでした
洗面台が低すぎて、車いすのひじ掛けが、洗面下に入らない施設も経験しました。
見た目重視の施設に多かった
トイレ棚があれば便利
トイレに頭上棚があれば便利です。
トイレに棚がない施設では、床に荷物をおくことが多い
足回りや水洗タンク横に、トイレットペーパーや洗浄ボトルを置くことになる
トイレ棚の有無は、家族には直接関係ありませんが、トイレ介助の邪魔になることがあります。
個人的には「安全性」に疑問あり
エレベーターが2台ある
できれば、エレベーターは2台以上あるのか理想です。
理由は下のリンク先で、詳しく解説しています
エレベーターも大事なポイントです
各階にリビング(食堂)があれば理想的
1階や最上階に「大食堂がない」施設は、理想的です
理由は下のリンク先で、詳しく解説しています
「1階や最上階に大食堂がないのが理想的」を読んでください
空き室の数を確認しておく
空室が多い施設は、経営に不安があります。
空室数は売り上げに直結します
設備投資や人件費に大きく影響します
「重要事項説明書」に記載していますが、直接施設長にも質問しておきましょう。
私の経験談:
開設3年経過している施設なら、9割程度は埋まっていました。
退職者が続いた時、派遣社員で一時的な人員補充ができません。
8割程度は居室が埋まっていないと、派遣社員を雇う余裕はないはずです
重要! / 「重要事項説明書」を確認しておく
施設見学に行ったら、「重要事項説明書」を請求してください。
法人によっては、ホームページでも閲覧可能です。
- 財務
- 建物
- 人員
- 費用
- 返金額
- クーリングオフ
施設の情報が詰まっています
もし「契約するまで、お渡しできません」と拒否されたら、候補から外してください
今後の付き合いに期待できません
番外 / 住宅型有料老人ホームの注意点
あなたが「住宅型有料老人ホーム」を候補にしているなら、施設見学した時に「施設長」へ確認しておきたいことがあります
- 日中、看護師が常駐しているのか?
- 訪問介護中のスタッフも、ナースコール対応するのか?
- 介護保険の上限を超えた場合の費用はどうなる?
理由は下の記事を参考にしてください
まとめ / 「有料老人ホーム見学」で見ておくチェックポイント15選
- 施設の清潔感や豪華さは無視するべき
- 大きな建物は避けた方が良い
- 入浴設備をチェックしておく
- 尿臭を気にしても現在の質を判断できない
- 廊下の幅が狭いと対応が早く安全性が高まる
- 日当たりの良い居室は、暑くてまぶしい
- ベランダが広くても避難時以外は利用しない
- 居室にクローゼットがあれば理想的
- 洗面台の形しだいで排水面に届かない
- 洗面パイプで車いすが洗面下に入らないことがある
- トイレ棚があれば便利
- エレベーターが2台ある
- 各階に食堂(リビング)があれば理想的
- 空き室の数を確認しておく
- 「重要事項説明書」を確認しておく
▼ 「老人ホーム」に入居するまでの手順を紹介しています
「老人ホーム」を見学する時に、見ておきたいチェックポイントを伝授しました。
介護現場で働いている「介護士目線」で紹介しています。
他にも思い出し次第、常時アップデートしてゆきます。
随時、覗いてみて下さい。
あなたの希望を全て叶える施設は、絶対にありません
優先順位を決めて、慎重に決めてください
- 時間がないから
- 勧められたから
- 面倒だから
安易な決め方はしないでくださいね
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