「老人ホームを選ぶ基準」が分からない人は必見!
介護現場で働いてきた「介護士の立場」で、老人ホームの選び方を教えます
▼「老人ホーム選び」の疑問
- 調べ方が分からない!
- 何を基準に決めたらいいの?
- 何に注意したら良いのか分からない!
そもそも「始め方」すら分からないですよね?
親の「老人ホーム選び」をするなら、
「インターネット」や「雑誌・本」の情報だけでは、かなり不十分です!
あなたが見てきた情報は、「運営者」や「管理経験者」の意見ばかりです。
介護現場の「親の扱い」には触れられていません!
▼ あなたが「気になっている情報」
- 親にとって快適な生活となるのか?
- 真摯な扱いを受けるのか?
- 環境にうまく馴染めるのか?
あなたが一番気になることですよね
この記事では、現場介護士の立場で「老人ホームの選び方」を伝授!
「現場体験」を元に、老人ホームを選ぶポイントを紹介してゆきます。
インターネットや雑誌では分からない内容満載です
▼ 「老人ホーム選び」から「入居」までの手順を「10ステップ」に分けて、下のリンク先で紹介しています
この記事を読んだら、必ず目を通してください
・ 【初心者用!老人ホーム選びの始め方】かんたん手順・10ステップ
- 老人ホームを選ぶポイント
- 気にしておきたいこと
- チェックしておきたいこと
「両親の介護施設を探したいけど・・・」、そんな不安の解消に役立てられるように、15年以上の介護現場での体験を綴ってゆきます。
2007年に介護業界へ身を投じ、早や16年目を迎えました。(派遣歴13年)
派遣社員の特性もあり、経験した施設数は「13」になります。
「有料老人ホーム」では、7つの施設で勤務経験あり。
老人ホームを選ぶ基準/ 「施設探しのコツ」を現場介護士が解説
パンフレットは比較検討する資料だと割り切る
「パンフレット」や「ホームページ」に載っている情報は、経営者が伝えたいものばかりです
パンフレットは、外部の広告業者が作成した「宣伝広告」
あなたが知っておくべき情報は、掲載されていません
写真掲載された施設長や介護職員は、誰もいないと思ってください
施設の「パンフレット」で判断できることは少ないです。
あくまでも「パンフレット」は、比較検討するための資料だと割り切ってください
ただ資料を集めておかないと、比較検討を始められません
希望条件に近い施設はチェックしておきましょう
▼ 無料登録できる「検索サイト」
- 資料請求
- 電話相談
- 施設見学の調整
最後まで「幅広いサポートを期待したい人」におすすめな「シニアのあんしん相談室」
施設の特徴で「絞り込み検索」もできます
▼ トータルサポートが期待できる ▼
有料老人ホームは現実的な選択肢になる
ご両親の「老人ホーム」を探す場合、現実的な選択肢は3つです
- 有料老人ホーム
- グループホーム
- サービス付き高齢者住宅
「特別養護老人ホーム」「老人保健施設」は、入居条件が厳しく「入居待ち」も多い
東京・大阪の大都市では、300人以上が予約待ちしている
選べる「老人ホーム」ではありません
「特別養護老人ホーム」「老人保健施設」は、チャンスが巡ってきたら迷わず入所しましょう!!
入居してみて嫌なら、退去すればいいだけです
チャンスが回ってきたら超ラッキーですよ!
この記事では「有料老人ホーム」に絞って、「老人ホーム」の選び方を紹介します。
「有料老人ホーム」ってどんな施設
入居条件が少ない「入所のハードル」が低い施設です。
介護度が入居条件となりません
「要支援2」から「要介護5」まで、幅広く入居できます
「特別養護老人ホーム」は、「要介護3」以上が入居条件となる
入居者の半数は、何かしらの介護・支援が必要ですが、完全自立の人も多くいます。
料金はピンキリで、月20万円~50万円レベルの「有料老人ホーム」が多い
「特別養護老人ホーム」は月15万円前後で収まる
デメリットとして料金が高くなります
有料老人ホームは、以下の3タイプが存在しています
- 健康型有料老人ホーム
- 介護付き有料老人ホーム
- 住宅型有料老人ホーム
健康型有料老人ホームは、日本全国ほとんどありません
「介護付き有料老人ホーム」「住宅型有料老人ホーム」の2択になると思ってください
▼ 「有料老人ホーム」の種類については、関連記事を参考にしてください。
・「有料老人ホーム」を種類別に紹介
・「介護付き有料老人ホーム」の概要
・「住宅型有料老人ホーム」の概要
・「健康型有料老人ホーム」での経験
・ズバリ回答!「介護付きvs住宅型」どちらを選ぶべき?
「老人ホーム選び」のチェックポイント
「有料老人ホーム」を選ぶチェックポイントを紹介してゆきます
全ての条件を取り入れるのは無理です
あなたの家庭状況(費用など)を考えて、優先順位を決めてから「老人ホーム」を選んでください
自宅からの距離は「週1回通えるか」を基準にする
親の「老人ホーム」は、あなたの自宅から近いことが理想です
- 親との面会
- 物品の差し入れ
- 施設長・ケアマネの面談
施設に行く用事は多いです
自宅からの距離に固執すると、将来あなたは苦しむかもしれない
距離に執着してはいけません!
私は13施設を経験しています。
- 衣服・物品などの差し入れ
- 親の状況確認
ご家族が訪問される平均回数は「週1回程度」です。
1週間に1度訪問するのに「苦痛でない距離」
こう考えると選択肢が広がります!
季節の変わり目には、衣替えの衣服を持参する必要があります。
重い荷物を持って移動できる距離かも、考慮してください
衣替えの衣服は、結構重たいですからね
- 週1回程度なら通える
- 荷物移動も苦痛じゃない
こう考えると「老人ホーム選び」の選択肢が広がるでしょ
施設の新しさや見た目のキレイさは気にしない
- 新しい施設
- 見た目がキレイ
華やかな調度品や施設の新しさと、「施設の良し悪し」に関連性はありません!
あなたの親の幸せとは「無関係」です
豪華な装飾品は、あなたが払う「入居料」に上乗せされています。
忘れないでください!
建物が大き過ぎると介護士の手が届かない
できれば「コンパクトな造りの建物」を選んでください
現場を経験して分かった「重要なポイント」です
平均的な「介護付き有料老人ホーム」は、「4階建て」「部屋数50~60」程度です
これより大きな建物は、候補から外してください!!
▼ 大きな建物の特徴
- 大きな建物は、スタッフの「眼や耳」が届きにくい
- 移動範囲が大きいと、スタッフの疲労が大きい
あなたの親にとって不利です
スタッフの「目や耳」が届きにくいと、
「転倒」「うめき声」などがあっても、介護士は気配を感じられません。
発見や緊急対応が遅くなります。
これは私が経験してきたことです
居室数が100を超える大規模施設は、移動距離が大き過ぎます。
ナースコール対応も遅くなります
ナースコールを押しても、距離が遠すぎてなかなか来てくれませんよ
あなたが介護スタッフに声かけしようにも「何処にいるのか見つからない!」というのもよくあります
建物が大きい施設ほど、多くの介護スタッフが必要です
でも介護業界は慢性的な人員不足!
大きな建物の施設は、ず~と人手不足に苦しみます
パンフレットやホームページでも、居室総数は確認可能です
居室総数が60以内のコンパクトな施設がお勧め!
建物の大きさと居室総数は、優先的に考えてください
1階や最上階に大食堂がないのが理想的
「大食堂」がある施設は、おすすめしずらいです。
各階に小さなリビングがあり、居室の近くで食事ができれば理想的。
食事移動するために「介護スタッフの介助」が必要です。
私の経験談:
入居者60人程度の中規模施設で、介護スタッフが移動介助にかける時間は1時間以上。
- 往復2時間以上かかる
- 朝・昼・夕と3往復する
どの施設でも、こんな傾向がありました
食堂への移動介助で、本来あるべき「スタッフと入居者の関わり」が減少します
移動介助が少なければ、
「あれもできるのに」「これもできるのに」は、「有料老人ホームあるある」です。
「特別養護老人ホーム」「グループホーム」の経験者は、移動介助が苦痛で「有料老人ホーム」を退職する人が多い
「特別養護老人ホーム」「グループホーム」は、移動範囲が小さい「ユニット型介護」を採用している
移動介助を理由に、退職する介護スタッフも多いです
残念ながら、2010年代に建設された「介護付き有料老人ホーム」は、大食堂の内蔵型が圧倒的に多い
もし2択まで候補を絞ったら、大食堂のない施設を選ぶと良いです
親と介護スタッフとの関わりが多めになります
エレベーターは2つ以上あると便利
エレベーターはあなたの親にとって「大事な移動手段」です。
建物に2つ以上あることが理想的です
入居者60名の施設だと、2台あるのが一般的
でも私は1台しかエレベーターがない施設も経験しました
「いつまでもエレベーターが来ない!!」
1台しかないと、エレベーターはなかなか来ません
エレベーター点検中には、移動すらできません。
大食堂へ行く際、エレベーターを「1日3回」も使用します。
エレベーターの台数は、条件に含めておくべきです。
近隣に系列施設があると移動できる可能性がある
- 人間関係が悪化した
- トラブルに巻き込まれた
こんな時、系列施設に移れる可能性があるかもしれない
金額・移動条件は契約前に確認要
私の経験談:
系列に「24時間看護師常駐」の施設があれば、医療的なケアが必要になった場合、新たに施設探しをする必要もありません。
系列施設だと、看護師の猛プッシュで「入居の優先順位」が高くなります
親会社の経営状況を知っておく
「有料老人ホーム」には倒産・経営譲渡のリスクがあります。
親会社が上場企業だから、施設経営が安泰とは限りません
親会社の業績次第では、施設が売却されることも覚悟してください
最近の例:
- ワタミ→損保ジャパン
- 神戸製鋼→住友林業
- オリックス→大和証券
運営会社の変更で、「介護スタッフの顔ぶれ」や「勤務体制」が変わる可能性もあります。
運営会社が変わると、雇用条件も変わります
退職する介護士がでます
求人情報は常にチェックしておく
「親の老人ホーム選び」と「介護士の求人情報」に関係性はあるのか?
実は大ありです
あなたの親と介護スタッフの「深い関わり」は、介護士の定着率にかかっています
つまり介護士不足に苦しむ施設で、あなたの親が「良い扱い」を受けられるか疑問があります。
スタッフの入れ替わりが、激しい施設には期待できません
人員不足で苦しむ施設は、いつも求人広告がでています
ネット求人・新聞チラシは、常時チェックしておきましょう。
大手施設になると、広告会社と年間契約している場合もあります。
その場合は例外と考えて結構です。
1月~3月の求人も例外と考えましょう。
- 子供の進級でお金が必要
- 育児から解放されたので働きたい
主婦をターゲットにした、人員確保の大事な時期
介護施設は、「主婦パート」の存在なしでは成り立ちません
短時間パートを募集している施設は、雇用体制に柔軟性があり、人員不足に陥る可能性が低くなります。
私の経験上、
「フルタイム勤務」や「正社員採用」に執着している施設は、人員確保に苦労しています。
重要事項説明書をチェックする
施設によっては「重要事項説明書」を、ホームページで「ネット公開」していることがあります。
「重要事項説明書」は、書式が統一されており、他施設との比較に役立ちます
「重要事項説明書」で確認できること
- 居室総数
- 建物の大きさ
- エレベーター台数
- 入居一時金の返却内容(初期償却・償却年数)
- クーリングオフ(90日間以内の退去)
施設見学した時に、直接請求もできます
契約前の提出を拒否されたら、候補から外すべきです!!
今後のお付き合いに期待できません!
▼ 「手厚い介護」が期待できる施設を紹介しています
まとめ / 「有料老人ホーム」の候補を絞る9つのポイント
- 週に1度の訪問ができる距離
- 調度品や装飾の華麗さはスルー
- 適度な大きさの施設に絞る(居室総数・高さ・横幅)
- 大食堂のない施設を優先する(現在、減少傾向にある)
- エレベーターが2台ある
- 近隣の系列施設を確認しておく
- 親会社の経営状況を知っておく
- 普段から求人情報をチャックする(雇用の柔軟性も分かる)
- 重要事項説明書を見ておく
「老人ホーム」を選ぶポイントを、介護士の立場で紹介しました。
紹介した9つのポイントなら、「インターネット」や「パンフレット」で分かるはずです
全てを取り入れるのはムリがあります
あなたの家庭状況も考えて、優先順位を決めて「老人ホーム」を選んでください
老人ホームは高い買い物です
「老人ホーム」を選んでも、絶対にすぐ契約してはいけません!
必ず、「施設見学」「体験入居」をしてください
後悔しないために、石橋を叩いて渡りましょう!
▼ 「老人ホーム選び」から「入居」までの手順を「10ステップ」に分けて、下のリンク先で紹介しています
・ 【初心者用!老人ホーム選びの始め方】かんたん手順・10ステップ
他にも思い出し次第、常時アップデートしてゆきます。
「老人ホーム選び」の関連記事をまとめています
・見学で見るべきポイント・介護編
・見学で見るべきポイント・建物・設備編
・重要 / 体験入居すべき理由
・契約までにしておくべきこと
・契約までに決めておくこと・分担
・入所中に起こりうること
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