派遣介護福祉士の資料 - 施設選びと認知症対策

「両親の介護施設」「介護業界への転職」、介護現場の体験談を元にポイントを紹介します

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【入居前に知っておきたい / 大きな老人ホームの落とし穴】現場体験談 / 大規模施設をお薦めしない理由 file39

「大きな老人ホーム」と言っても、会社の経営規模知名度の高さではありません。

 

実際に現場介護士として勤務した経験から、実例を挙げながら欠点・難点を紹介してゆきます。

 

老人ホームを選ぶ際の参考にしてみて下さい。


介護業界14年目の派遣介護福祉士です。

「両親の介護施設を探したいけど・・・」、そんな不安の解消に役立てられるように、13年以上の介護現場での体験を綴ってゆきます。


2007年に介護業界へ身を投じ、早や14年目を迎えました。(派遣歴12年)
派遣社員の特性もあり、経験した施設数は「13」になります。

 

両親の施設選び / 大規模施設には難点が多い事実


現場経験の観点から、
大きな建物の施設はお薦めしずらい
のが私の感想です。


2つの施設での経験談を紹介してゆきますので、
両親の施設を選ぶ際の参考にして下さい。

 

 

 

大規模施設①

「7階建て」「部屋数140」の「介護付き有料老人ホーム」で勤務した経験があります。


平均的な中規模の「介護付き有料老人ホーム」は、「4階建て」「部屋数50~60」程度です。

 

この施設ではフロア制を採用していましたが、「7階建て」のため、各階に1名づつスタッフを配置するわけにはゆきません。


私は4~6階の3フロア(約50名)を担当しました。
階段移動が必要ですし、フロアの横幅も広く、移動範囲が大きいのが特徴でした。


ナースコール対応

有料老人ホームの特徴として、特別養護老人ホームと比べて、ナースコールがかなり多くなります。


通常の介助とナースコールで、各階を走り回ることになり、
スタッフの「眼や耳」が届きにくく、フロア自体が無人になるのが常でした。


転倒など不測の事態が起こっても、フロアが無人になると、誰も気配を感じられないので、発見や緊急対応も遅くなる状況になり、現場スタッフにとっては不安です。

 

入居者のご家族も同じ想いでしょう

 

歩行不安定な認知症の方には、不向きだと思いました。
又、トイレへの移動に歩行の付き添いや、車いす移動が必要な方は、ナースコールを押しても、各居室までの移動距離が長すぎて、なかなかスタッフがやって来ない事は頻繁でした。


実際にスタッフが駆けつけるも間に合わず、

排泄失敗や自力歩行してしまい転倒

ということも、よくありました。

 


スタッフへの伝言


ご家族の面会訪問時、介護スタッフに声かけしようにも

「何処にいるのか見つからない」

というのもよくあり、スタッフを探すのが大変だと、よくお叱りを受けたものです。(クレームと言うほどではなかったが)

 

入浴介助

入浴介助の人員配置が、かなり悪かったです。


・1日の入浴者が35名前後
・入浴担当スタッフ3名 
・個浴(有料老人ホームでは当たり前)

 

スタッフ3名で、入居者35名を入浴させることになります。


通常の施設での個浴の場合、入浴スタッフ1人で、通常5~6名が平均的ですし、この人数が適度だと思います。

しかしこの施設では、入浴スタッフ1人で、1日に12~13名を担当する必要があり、しかも機械浴の方も含まれていました。
機械浴の場合、準備も含めて45~60分は確保したいところです。


この無理な配置・制度で起こっていた歪みは、

同時入浴介助が多かったことです。

入浴担当者が2か所の風呂場を往復しながら、介助を同時進行させてゆくわけです。

 

スタッフ一人で、機械浴を2か所で同時介助していたのを見て、

ドン引き!!

 

通常は機械浴の場合、入居者1人に対してスタッフ2名で介助します。それを入居者2名に対して、スタッフ1名でした。恐ろしいことです。

 

入浴担当者を増やせば解決できるのですが、金銭的な事情に併せて、介護士の人員確保は、どこの施設も苦慮しています。

大規模施設ほど、人員数が必要となります

 

 

食事(朝・昼・夕)

7階に大食堂があり、入居者全員が移動することになります。

居室総数140に対して、エレベーターは2つです。

 

扉が開いたエレベーター内は常に満員に近く、乗ることができないことが頻繁に起こっていました。

 

私が勤務していた頃は、まだ入居者は100名超でしたが、全員が食堂への移動完了するのに、約1時間半かかっていました。
昼食開始が12時にも関わらず、11時前から食堂誘導を初めて、完了するのが12:30前ぐらい

入居者にとって、希望する時間に、食事ができない可能性が高くなります。

 

入居者数が100名超で、こんなに時間がかかっていましたが、満床の140名になったらと思うと頭が痛いですよね。

 

介護士の定着率

大規模施設は移動距離が大きい分、体力的な疲労度もかなり高いですし、業務も非効率になります。他施設と比較して労力を費やすので、スタッフの定着率も悪かったです。

 

オープンして、まだ1年程度の老人ホームでしたが、私が入社した時点でオープニングスタッフは誰もいませんでした。

 

全員が既に退職済みでした。

 

私が入社した最初の2か月で、15名が退職しました。

新入社員3名が、初日のみで3名とも、来なくなったこともありました。私の経験上ではこの施設が、一番スタッフの入れ替わりが激しかったです。

 

欠員の補充がその都度やってきたのも、会社の知名度のおかげでしょう。

まあ、奇跡的だと思いますが。

 

大規模施設②


「5階建て」「部屋数70」の住宅型有料老人ホームで勤務した経験があります。

 

居室数は平均的な数で多くありませんが、横幅が50m以上ある横長の建物で、
しかも「エレベーターと階段」が、東端にのみ備えられていました。


ナースコール対応

こちらの有料老人ホームも、ナースコールがかなり多かったです。


住宅型有料老人ホームでフロア制を採用していませんでした。

日中、ナースコール対応できる介護スタッフが一人だけです。

 

ナースコールに対応する居室移動には、
・一度東端まで行き
・階段を駆け上がって縦移動
・移動した階で西へ移動

この移動を繰り返すことになります。
つまり建物内をコの字型に移動するわけです。


2階の西端の居室から、4階の西端の居室へ移動するのに、階段移動を除いても、100m程の移動距離があることになります。
ナースコールに対する、100m程の移動距離は容易ではありません。

 

排泄介助に間に合わない、転倒するなど、

入居者にとってはリスク大きい環境でした。


ナースコール担当の日は、疲労困憊でフラフラだった苦い思いがあります。

 

施設見学する際に、エレベーターの位置が建物の中間にあるか、確認しておくべきです。

 

まとめ

実際に勤務した経験から、

建物規模の大きな施設はお薦めしずらいです

 

手厚い介護を期待する以前に、スムーズなナースコール対応すら期待できません。

 

介護スタッフの人員数で解決できることでも、介護業界の人員確保は容易ではありません。

建物・設備に関しても、エレベーターを増やしたり、建物規模を縮小するなんて不可能ですから、入居中に解決するはずがありません。

 

大きな建物の利点は

まったく感じたことがありません!!

 

あくまで、私個人の意見だと付け加えておきます。

 

両親の施設を選ぶ際の参考にしてください。

建物の大きさや居室総数は、施設見学で事前に確認が可能なはずです。

 

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